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- 作者: 穂村弘
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2009/02/01
- メディア: 文庫
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歌人・穂村弘を知ったのは結構早く、高橋源一郎が書評で「俵万智が300万部売れたのならこの歌集は3億冊売れてもおかしくない」というような言い方をしたのを読んでである。本書は、その穂村弘の雑誌連載エッセイ集であるが…これは本当にエッセイなのか、それは読んでのお楽しみである。
エッセイ集として読み始めてももちろんおもしろい。社会不適応気味の筆者が、編集者サクマさんが提示するいろいろな「現実」に挑戦していく。この種のいわば「ボンクラ男子」エッセイは脈々と受け継がれて近年ますます盛んになっているふうでもあるが、──挑戦を続けてゆくうちにだんだん風向きが変わってゆく。そして…。虚実のあわいにたたき込まれるエンディングまでぜひ読んでほしい。
なにより『現実入門』という書名が凄い。なかなかつけないよこんな題。