カラフル (文春文庫)

カラフル (文春文庫)

カラフルの映画予告を見たので、気になって原作を読んだ。
主人公は、何等かの理由で死んでしまい魂だけの記憶喪失の状態だったのだが、天使業界の抽選に当たったため、自殺を図った中学三年生の少年、真の体を借りて再び生きることになった。病院では、真が息を吹き返したことになり、その主人公は真として、生活をすることになる。自殺する前の真は子供のころから絵が好きでクラスの人気者だったが、色々な原因が重なり暗くなってしまった。その原因とは、絵以外は何の取り柄もないので、クラスの中で相手にされなくなったことや、自分の好きな女の子が援助交際をしている所を目撃してしまう。おまけにその現場で、自分の母親が、不倫をしていた所を見てしまったことだった。
新しい真は、性格が明るいので、友達もふえていった。その一方で、あまり家族とは上手くいかないのであった。なぜなら天使が、人間関係のつじつまが合うように情報を教えてくれるため、初めは良い家庭だと思っていた家族の裏の情報、つまり母の不倫や父親の利己的な性格、兄の満の意地悪な性格を知ったからだ。ところが、家族と向き合って話してみると違った角度から見ることができた。そして誤解だということが分かる。そこで新しい真は、昔の真に何としてでも誤解であることを伝えたくなり、天使に昔の真を生き返らせたいと頼む。そして、意外な結末がまっています.....
家族との絆を深められると思う、お勧めの一冊。【横山】