キャラについて述べる本を紹介した。さて、キャラといえば、ライトノベル。中学生もすなるライトノベルといふものを、大人の私も読んでみようと思って何冊か読んでみた。そのなかでは、これが随一。

本気か、と呆れられるかもしれないな。
そもそも、ラノベとは何か。実のところ、ラノベの定義はよくわかりません。とりあえず、批評家や研究者もいろいろな意見があるようで、それぐらい多種多様、多岐に渡っているらしいのだが、ざっくり切り分ければ、
ラノベ=「イラスト」+「キャラ(≠「キャラクター」)」
という、これまでの文学研究でのジャンルわけとはあまりに隔絶した定義づけがよさそうです。
というより、こういう形でしか定義づけできない。それぐらい「ピンからキリまで」の世界であるようなのだが、さて、ラノベの代名詞としての『涼宮ハルヒの憂鬱』は、なかなか<文学>や<SF>に、ちょっと連接しているなあ、というのが私の感想です*1。最初を我慢すれば(正直言って私も相当我慢しました。ハルヒのキャラクターが耐えられない部分は多分にあります)、小説巧者を納得させる要素はあるように思います。
さて、ではこのあと、この企画でラノベを紹介しまくるのか、というと、ラノベは『ハルヒ』でおしまいです*2ラノベから小説へ、が私の目論みなので、次回は森見登美彦、そして次次回は、なんと『伊勢物語』へ進みます。私のなかでは全てがつながっている。

*1:2作目『溜息』の、ああオチのワン・アイデアのために全てが奉仕しているような、勢いで書いた感たっぷりの<いかにもな2作めっぷり>(?)も、捨てがたいものがありました。

*2:どのみちラノベ好きは自分のネットワークで次から次へ新作を探していくことでしょうから。