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国語入試問題必勝法 (講談社文庫)

　授業で清水義範「現代語訳・江勢物語」を紹介しました。これが収録されている文庫本『江勢物語』をここで挙げてもよいのですが（同書所収「スノー・カントリー」も抱腹絶倒である）、清水義範の著作で何といってもスタンダードなのは、『国語入試問題必勝法』です。

　「現代語訳・江勢物語」の現代語訳文も学校「古典」をよい感じでおちょくっているが（訳文のカッコの使い方がだんだんいい加減になっていったり、和歌の解釈が明らかにやり過ぎなほどに長大なものになっていたりするあたりが最高）、『…必勝法』は現代文の設問や答えをとりあげて「学校国語」をとことんおちょくっており、しかもそのおちょくりのなかに「国語」への秀逸な批評が差し挟まれている。機会があったらご一読を。パスティーシュ（パロディ）作家としての清水義範は特に初期作品が秀逸です（『蕎麦ときしめん』なども良い！　私の丸谷才一びいきは清水義範の文体模写から始まる）