諸君に直接は関係ない話ながら──、土曜日の放課後、PTA学術講演会が開催されました。
 PTA学術講演会は、その成り立ちの事情に起因するのですが、文学、それも平安文学の研究者や評論家をお呼びするのが通例となっています。本年は、青山学院大学の高田祐彦先生に「源氏物語と歴史」という題でご講演いただきました。会場には秋山虔先生もお見えになり(一介の中高の講演会になぜ秋山虔先生がお見えになるのか。それはHRでお話しましょう。城北という学校が持っている文化のキャパシティの深さを体現する、垂涎のお話があるのですよこれが)、盛況のうちに終了いたしました。
 私は別段PTAの担当ではないのですが、『源氏物語』を専攻している縁もあって着任以来連絡役を仰せつかっており、学術講演会の前後は本当にドタバタしているのだけれども*1、それでもこの役回りが魅力的なのは、専門の最先端の先生方のお話を実地で聞けるという喜びに尽きます。先生方には基本的には一般向けを意識したお話をお願い申し上げているのですが(保護者の皆様はとても詳しい古典ファンの方から、高校以来古典に触れておらず、たまたまこういう機会があったのでお越し下さったという方までそれぞれですからね)、一般に向けたお話のしかしその端々に鋭い知見や新見が差し挟まれて、毎年とにかく蒙が啓かれる思いに駆られてやまないのです。来年、同じかたちでの開催があれば(こればかりは学校の意向などもあるからわからないのですが)、興味のある高3生(とりわけ文?では週3時間『源氏』を読むこともあり、何人かそういうのを促せそうな生徒は出てくると思います)を紛れ込ませようかなと画策しています。

*1:かつてこれと演劇鑑賞会担当と高3担任とが重なった年は本当に忙殺の言葉がぴったりでした。…まあ今年も諸君の担任と国語のとりまとめ役なので似たようなものですが。