『ネトゲ廃人』

ネトゲ廃人

ネトゲ廃人

 一時期、その斬新なタイトルと表紙で話題となった『ネトゲ廃人』。これを読んで思ったこと・考えたことを述べていこうと思う。
これを読んで、まず思ったのが、どんな「ネトゲ廃人」でも、そのきっかけがいたって普通であることである。「友人に勧められた」、「ゲームが好きで、ネトゲもその延長線上」などなど。そんな普通であるはずの人を、仕事を辞めたり、多額の借金を抱えたり、最悪の場合、死亡(主に自殺)といったことに追い込むのである。一時期軽くではあるが、オンライン対戦をしていた自分にとって、この事実は非常に恐ろしく感じられた。
 第二に、廃人となってしまう世代は、何も若者(10代後半から20代)だけとは限らないということだ。
 中には50を過ぎてハマってしまう人もいるし、下手をすれば小学生低学年でなってしまう、なんてこともあるのだ。これには大変驚いた。
 総じて、この本では多少誇張されている部分はあるが、ネトゲとは時間を決めて楽しくやる分にはよいが、そうにはならない面白さと言う名の魔力がある。それを忘れてはいけないと思った。【伊藤】